レース参戦レポート番外編

汗と涙のAE92導入記


前回のレースでTETTU(ワタシだ(^^;))が潰してしまったEP71の代わりに新しいマシンを作らなければならなくなった我々Wildheartsである。EP71ならスペアが1台あるのだが、せっかくだからステップアップしたマシンにしようという案が持ち上がった。

で、候補に挙がったのはAE92。

シビックなども考えたのだが、本田はミッションが弱いとか、ボディが弱いだとか、マシン製作に掛かる金額が大きい、などの理由で結局AE92となった。

で、知り合いのショップにレースマシンの中古が無いかと問い合わせたところ、茨城のショップに中古が有るという話しが有ったのである。

これは良いということで話しをつけて早速トラックで取りに行くと、なんかガラクタが置いて有るんですけど・・・・

そう、そこに有ったのはレースマシンと呼べるものでは無く、ほとんど解体車といえる代物だった。

オーナーに話しを聞いてみると、元々N1マシンが有ったのだがクラッシュしてしまい、新しくAE91のボディをベースに製作中(というか、製作しようとしている所)の所だったのである。

な、なんか話しが違う・・・・・・

しかし、すでにトラックで来ている以上引っ込みは付かない。そのままそのガラクタのような車を持って帰ってきたのであった・・・・・・(^^;)

帰り道のトラックでは全員(3人で行ったのだが)が暗〜〜い雰囲気だったのはいうまでも無い(笑)


さて、そのガラクタをチェックしてみよう。

まず外装

元は紺メタリックのAE91トレノのようだが、ドアは左右色違いがついていて、Fフェンダーは片方無い。

もう片方は黒と金のツートン。唯一ボンネットのみレースマシンで使っていたもので、紫の塗装にステッカーが貼ってある状態で、寂しさを倍増させている(^^;)

ちなみにFバンパーは無い・・・

お次は内装

一応製作途中ということで、アンダーコートは剥がされている。

ロールバーは元6点式+サイドバー

なぜ元かというと、フロント部分が無くなっているのだ。

あとはメーカー不詳のバケットシート&自作シートレール

油圧計と水温計が付いている。

キルスイッチもついている。

機能部品

エンジンは掛かるが、あまり調子が良くないようである。どうやら1気筒死んでいるようだ。

しかもあっと言う間にガソリンが無くなると思っていたら、車両下側の燃料配管(リターン側)が間違ってつながれていて、ガソリンをまき散らしているではないか!!!。

エンジンのコンピューターはTRDのレース用が付いている。これは手元のコントローラーで燃料、点火時期を調整出来るものである。新品で買ったら高いのかもしれない。

マフラーはFISCO認定のサイレンサー付きレース用

ミッションはノーマルだが、LSDは付いているらしい。

安全タンクが付いているのだが、容量はたぶん30リッタークラスなので、耐久レースには使えない。しかもノーマルタンクが無いので、捜さなければいけない。

足周りは車高調整式サスキットで、これは結構高そうである、が、サビサビで車高調整は出来るかどうかあやしい(笑)

ラジエーターは何かの純正品だろうと思われる大型のが付いている。ただこれはアッパーホースが無理矢理延長してあって、デスビに干渉しながらムリムリに取り付けしてある。

ブレーキパッドは前後とも付いていない(!)。良くトラックに載せて帰ってこれたもんだ。

とまあ、こんな状態である。本当に直せるんであろうか??

↑手前がその問題のガラクタレビンである。ここからは見えないが、ドアやフェンダーの色が違う。


さて、まずは大問題であるガソリン配管を直す事にする。

これはエンジンからのリターンの配管が車両下側のタンク付近で繋がれてなく、そこからガソリンを盛大に放出していた(^^;)

最初は訳がわからず、漏れていると勘違いしにそこにネジを突っ込んでエンジンを掛けてみた。

・・・・・そりゃ圧力に負けてガソリンが吹き出すに決まっている(笑)。上半身ガソリンまみれになってしまった(;_;)

お〜い、ちゃんとエンジンをすぐ止められるようにしておいてくれ〜〜〜(笑)<エンジンかけた人

それからは必死に配管をたどって、リターンホースをタンクに繋ぐ事が出来た。

これでエンジンは掛かったのだが、どうやらプラグコードが死んでいるらしく、1気筒点火してないようだ。

これはパーツを買ってこないとダメだろうな。


しかし、ここで事件は起こった。

ボンネットを外し、外でエンジンのテストをしている時であった。

なんとか直せるかもな〜、とか、少し愛着が湧いてきたな〜、とか言いながらエンジンを切った瞬間、エンジンルーム付近からいきなり茶色い噴水が!!!!

そう、程良く暖気した後のクーラント(劣化して茶色なのだ)が、アッパーホースが外れて噴水となってフロントウインドウ付近を襲ったのだ!!!!!。

幸い運転席に居たissi君はとっさにドアを締めて無事、助手席ドア付近に立っていたTETTUは自己最高のリアクションタイムでダッシュしたため、数滴の熱いクーラントを浴びたのみで助かった。

#マジで死ぬかと思った・・・・

もはや前言撤回、こんな車使うのやめよう!!

にわかに湧いてきた愛着などふっとばすほどの出来事であった。

他にどんな所が緩んでいるのかわかったもんじゃない(笑)


さて、灼熱クーラント噴水事件から数日、足りない部品を解体屋さんで一つ一つ調達していたのではキリがないので、車を丸ごと捜すことに決めた。

何件か解体屋さんを廻ったのだが、これはという解体車は見つからない。出来れば車検切れのAE92後期型が見つかればベストなのだが、こういうものは捜している時には見つからないものである。

最後にダメもとで、issi君が仲良くしている某スバルのディーラーマンに、「AE92なんて無いですよね〜」と聞いてみたところ、何と「有るよ」との返事が返ってきた!!

速攻で見に行ったのだが、どうやら下取りで入ってきた車で、あと数日遅ければ中古車とされていたらしい。ナンバー付きで自走可能、何とステンタコ足付きであった。おまけにタイヤはRE710である。

そのディーラーマンさんには、「AE92が入ってくるの見ていたんですかぁ〜」なんて言われるくらいナイス過ぎるタイミングであった。

何か運命的なモノを感じたが、このマシンがその後我々と長いつきあいになるのだから神様が与えてくれたチャンスであろう。

値段は7万円。ここだけの話し、会社を通さず下取り価格そのままである。ありがとうございます。

少し考えた挙げ句、その場で購入してそのまま乗って帰る事にした(笑)

二人で探しに出てて良かった(^^;)

早速帰ってきてから試運転をしてみるが、結構速いし、軽快にエンジンも廻る。

ボディもキレイで、大切に使われてきた車であることが感じられる。ナンバーを外す時は少し罪悪感ともったいなさを感じてしまった(笑)

で、結論として、レースベースのAE91を使うのはやめて、このAE92を使う事に決定した。

ただ、距離が10万kmを越えており、そのままエンジンなどを使うのはちょっと考え物である。レース用AE91からパーツを外して移植することにしよう。

↑これが購入したキレイなレビン。向こうに見えるのがガラクタレビン(笑)


車両製作

さて、結局購入してきた7万円AE92レビンをベースにレースマシンを作る事になったので、早速そのレビンをバラし始める。


まずは内装。

椅子、内張り、エアコン、ステレオ、グローブボックス、アンダーコートなどの不要な部品をかたっぱしから外していく。

そしてその後にAE91から外したロールバーを取り付けるのだが、このロールバーはフロント部分が無くなっているので、フロント追加キットを購入した。それをショップで溶接してもらってやっと6点式ロールバーとなる。

ロールバー取り付けは、いかにフロアを変形させるかが勝負である(^^;)。車のフロアというものは大抵強度確保の為に波打っているのだが、ロールバーを取り付ける付け根の部分は平らにしなければならない。

そこで、位置決めを行ってから、まずハンマーで取付部を叩く叩く(笑)。これで大きな凸を無くしておく。

その後孔開けを行ったら、ちょっと長めのボルトを用意し、裏板とロールバーでボディを挟んで、ネジを締めて行く。

ネジの力で鉄板をプレスするわけである(^^;)。こうして取付終了。

あとはエンジン載せ換えと平行して行ったのがアンダーコート剥がしである。冬なら結構簡単に取れるのだが、夏なので、ねばねばしてなかなか取れない。

ちまちまとスクレーパーで剥がしていく。

残りはバケットシートとかハンドルを取り付けて終了である。

この状態ではまだパワーウインドウとか電動格納ドアミラーとかがが付いている状態であるが、それはまあ、これからの課題と言うことで(^^;)

↑室内の様子


お次はエンジン&ミッションを載せ換えてしまおう。

大学時代の後輩や、友人たちをかきあつめ、連休3日間でエンジン載せ換えを行った。

2台ならべて置き、AE91からエンジンを外す為にハーネスや配管、サブフレームなどを外していく。

燃料配管を外す時にガソリンが漏れてしまうので注意が必要である。ちなみに我々はおもいっきりこぼした(笑)

#ガソリンでアスファルトが溶けてしまった(^^;

その後、倉庫の梁にチェーンブロックを掛けてエンジンとミッションを上から抜いてやる。

その後に車両を人力で後ろに移動し、エンジンを大地にタッチダウン!。

さあ今度はAE92からノーマルエンジンを下ろしてしまおう。こっちは補器類が多いのでちょっと大変。

まあ、後で使う予定は無い補器(エアコンとかパワステとかだ)なので、気楽にさくさくと外す(^^;)

2台のエンジンが降りた所で、お約束のエンジンルーム内に人が入っての記念撮影を行う(笑)

ノーマルエンジンが下ろされたエンジンルームでは、さらに作業が続く。

まずはパワステの配管をノコギリでラック付近で切断し、残ったパイプは先端を潰しておく。

これで完全オモステ仕様の出来上がり。これはたぶんめっちゃ重いぞ〜〜(笑)

あとはヒーター配管とか、不要なハーネスとかを細々と外していく。

最後にエンジンルーム内をガソリン等でキレイにして、エンジン載せの準備は整った。

さて、AE91に積んであった4A-G改(たぶん)をいよいよAE92に載せる。

基本的には下ろした逆の手順で載せればOKなのだが、エンジンマウントのボルト孔が合わなくて苦労する。

ジャッキでエンジンを傾けたり、人力でえっちらおっちらずらしたりでなんとかボルトを貫通させる事に成功した。

さあここまで来ればあと一歩。

インジェクターや各種ハーネスをセットし、燃料配管を行って、エキマニとマフラー、エアクリーナーボックスを付けて、大体エンジン関係は終了である。

↑載せ換え時のヒトコマ


さあ、あとは足周りをやってしまおう。

まずはドライブシャフトをミッションに挿入する。

そしてその次にナックルを組み付け、車高調を移植する。

ブレーキパッドはノーマルしか無かったので、プロジェクトミューの5000番を購入し取付した。

足周りはこんなもので終了。今回は何も他にはいじらない(っていうか、いじれない(笑))のである。


仕上げ

あとはボンネットとバンパーを取り付けたり、不要なモール類を取り外したり、室内にキルスイッチを取り付けたり、AE91からメーター類を移植したりで終了。

さあ、いよいよエンジン始動の時である。

さあ、バッテリーを繋いで・・・・・わ〜〜〜〜〜〜!!何か煙りが出てる〜〜〜〜〜〜〜!!!!

どうやらスターターの+端子が曲がってしまってボディにショートしてしまっていたようだ。びっくりした〜〜〜〜〜(^^;)

それをなおしたら無事にエンジンが始動した。一同ジーンと感動である。

あとはエビスの走行会で試運転を待つだけだ。

まあ、カッティングシートで飾り付けを行ったりする作業が残っているが、それは後日にしよう。

↑完成!の図。カッティングは少ししか貼ってない状態。


試運転

日は変わって、エビスのマンデーチャレンジというフリー走行会にて、試運転を行った。

各ネジ類の増し締めを行った上で、慎重に走ってみる。

おぉ〜、やっぱりEP71より速い〜〜。

でも、コーナーで突然リアが流れたりして結構恐い。乗りこなすにはちょっと慣れが必要かもしれないな〜。

あとは、重ステな上にハンドルが取られてしまうので、腕の筋肉がえらく疲れる。

そういや足周りは車高調をポン付けしただけだっけ。

トー調整をその場で行って、少しマシにはなったかな。

あとは走り終わってのチェックだが、少々トラブルや気になった事も出てきた。

・Fフェンダー内の配線が、下げた車高によってタイヤと干渉し、切れてしまった

・ドライブシャフトブーツから少しだけグリスが遠心力によって漏れてしまった

・燃費が悪い

・やっぱりハンドルが重い(笑)

などである。

トラブルはこれから直さなければならないが、燃費とかハンドルはしょうがないのでそのままである(^^;)


というわけで、このようにしてWildheartsレビンVer.1が出来上がった。

この後は色々と進化しているのだが、それはまた別の機会で。


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